書を捨てず街にも出て考えながら感じる！

大学の頃の恩師とは今でもちょくちょく連絡を取り合っています。

いつも音楽のマニアック話をするのですが、
先日、レッスンの話になり

『髙橋さんは、一つを注意すると、
ふりこがブーンと触れるように
あっちの方までいってしまう。
1を言うと100動く。
まさに、暴れ馬だったねえ』

…先生はどうやら暴れ馬の手綱を取るのに
ヒーヒー言ってらしたそうです。笑

暴れ馬である私は
出来なくて下手だったけれど。
何より「表現して、演奏する」ということが
楽しくて楽しくてたまりませんでした。

息使いひとつでこんな表現が！
単音ってこんなに大事なんだ！
淡い表現ってこんな身体の使い方なんだ！
なんて。

そして
先生がいつも冷静な表情で

『はい、やりすぎだねぇー』
『それは、行き過ぎたねぇー』

と言うそばで、あはは・・・(∀”　
すみませーん。えへへ、みたいな。

先生がお手本に吹いて下さっている時も
早く吹きたくってニヤニヤしていました。

勢いとやる気だけの暴れ馬っていう感じです。笑

思えば、私も本気でぶつかって、
先生も本気で受け止めてくれて
レッスンも気づいたら2時間近くになる時もありました。
終わると、2人共疲れすぎて無言。

でも、ひょんな時に先生が仰ってくださったのは

『感じ方のふりこが大きく振れるっていうのは、
うまくなるって事なんです。
何を伝えても動じない、能面みたいな子もいます。
そういう子は、まず心が動かないことには始まらない。
心が動いて、やっとそこからスタートです。
髙橋さんは初めから暴れ馬で良かったねぇ！』

…よ、よかったっす。

褒めてるのですか？貶してるのですか？笑

やる気になる、
物事に対して心が動く、といった事に対して
今の教育現場では

「何とかしてやる気を出させる」
「感動できるものを用意する」

そういう話を聞くことが多いけれど

わーお！マジシャンか！？すごーい！

と、思います。

人の心は操れないよ。
人の感じ方も操れない。

まずはそれぞれがブンブン自分の心を動かすことなんだなぁ。

子どもたちがブンブン心を動かすために先生ができることは
実はほんのちょっとの事しかない。
でも、ホンモノの先生は
その「ほんのちょっとの事」をものすごい濃さで出してくる。

実践なんかを見ていると、
この先生大事なこと言ってるのに、
あーあ、この子全然スルーしてる。勿体ない。
と、思う場面沢山あります。

目の前にサーロインステーキ特上がポンっと出されているのに
気付かないで、パンばっか食べてる感じ。
私だったら一目散にかぶりつきますよ。
そして、できればお代わりをリクエストする！！笑

目の前のものがサーロインステーキか、否か、
ということを感じるためには日頃の生活で
美味しいものを食べて「これおいしーい！」と思ったり
嫌なことがあって「むっかつく！」と思ったり
悲しいことがあって「思いっきり泣いて」しまったり、

自分には自分の気持ちを隠さないで素直でいるということが一番。
人には見せなくていいから！

そうしていくと、目の前のものが変わって見えて
感じることが出来るタイミングが分かってくる。

人と違う瞬間に何かをビビっと受け取る瞬間がある。

いつからみんな「人と同じだと安心」
「人と同じじゃないと自分は変だ」なんて
感じてしまうようになるんだろう。

私は「人と違う」っていうことに
ものすごく価値観を覚えるタイプですが、
皆さんはどうですか？

だって、人と同じじゃつまらないんだもん。
同じじゃない自分を受け入れないことには
自分自身の表現は始まらないと思っています。
「誰か」が感じている表現をしても、それはそれまで。

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そういえば
行きつけの美容院で
いつも楽しくお話しさせていただくのですが

私は規則正しく、清く正しく生活するのが苦手で
人が寝ている時間にやる気やアイディアが湧いて来て、
人があくせく働いている時間に
足組んでコーヒー飲んでいたいタイプなんですよー

って言ったらめちゃくちゃ笑われました。
でも、同じタイプの方がいて、なんかシンパシー。

暴れ馬は大変だけど、
それはそれで
色んな景色が見られて楽しいもんです。

机上の勉強も大事だけど、
感じて考えて生きていくって、
芸術からものすごく教わることがあると思うこの頃です。

さて、私はサーロインは無理でもチキンステーキ特上くらいは
出せるかなー。
出せる皿を見つけなければ。
そして、サーロインが出せるように日々精進だ。