たかはしゆきのフルート講座 初心者にお届けするクラシックのススメ

これから日々徒然なるブログの合間に
(まぁ日々為すことは多々あるのですが…)
フルート入門的な記事を書いていこうと思います。
これから始めたい、ちょっと興味がある、そんな方々に経験を交えながら楽しいお話が出来たらと思います。
どうぞお付き合いください。

フルート・クラシック入門のススメ

そもそも自分自身がクラシック音楽に興味を持ったきっかけは
随分昔の記憶になります。
母がクラシック音楽が好きで色々な曲を聴いていたことから私自身も自然と聞くようになったこと、小さいころからコンサートにもよく連れていってもらったこと、何より「ピアノを習い始めた」ことだったと思います。
そういった方は多いのではないでしょうか。

音楽で色々表現できたり、「気持ちを出す」ということはとても魅力的なことでした。

フルートは歌に勝るとも劣らないくらい直に自分の気持ちが表現できる楽器だと思っています、個人的には。
おしゃべりできるように自由に演奏できる魅力がある、ほほ笑んでいるようにそのままの自分の状態で演奏できる、それがとても魅力的です。

人それぞれに様々な自己表現の手段があると思いますが「想いを伝える」という面において、フルートという楽器での表現、そして自由なイメージを持ちながら、クラシック音楽の音のうねりに身を委ねることは、自分の核の部分がより濃く満たされていく時間でもあります。

そこで、クラシック音楽や、中でもフルートという楽器に興味を持ってくれた方に向けて、私なりのおススメポイントを紹介します。

初心者向けのフルートの選び方とは<

いざ、フルートをやりたい!と思ったところでフルートって普通の楽器屋さんで売っているのかな…
私も最初はどこでどのようにフルートを買ったら良いのかすら分からず、学校の先生から楽器店を紹介してもらいました。
たくさん並んでいる中から「あなたはコレね」とケースに入れてもらったので私の最初の一本は「専門の方に選んでもらった」という感じです。

私の最初のフルートは「Altus(アルタス)」という長野県出身のフルートでした。
Altusフルートは、後に購入したフルートと比較してみると

  • タンポ(指で塞ぐキーのこと)が比較的大きく、押さえやすい作り
  • 吹奏感の抵抗が比較的少ない金属の種類「洋銀/銀」素材
  • 響きが素直で、明るい

といった特徴で、フルートの扱いに慣れていない人でも使いやすいフルートです。

やはり最初は「音が出る喜び」から入っていける楽器が長く楽しめるコツだと思います。
結果、私にはとても良い最初の出逢いでした。
あとは、鍛錬していくにつれ、自分にあった特徴の楽器を見つけていくのも楽しみの一つになれば良いと思います。

何より、最初から高額で扱い方にコツのいるフルートではなく比較的安価で、楽しむことができるAltusフルートは良いパートナーになれるのではないでしょうか。

初心者が最初に取り組む練習について

楽器を手に入れたら早速練習です。
さて、一体何から始めましょう。

フルートという楽器は3つのパーツに分解できます。
それぞれ「頭部管」「胴部管」「足部管」、人間の体と同じですね。

実際に唇をつけて息を吹き込むのは「頭部管」です。
歌口と呼ばれるリッププレートに楕円状の穴があいていて
(メーカーによって大きさや形状が異なります)
まずは、この「頭部管」で音を出すことから始めます。

「胴足部管」は、「頭部管」で十分に音が出てから付けるようにしましょう。
すぐに組み立てて、構えて、ではなく頭部管のみで十分に音が出せるようになってからで大丈夫です。

実際の音の鳴らし方は歌口に唇を当て、微笑むように少し口を横に引くようにして息を吹き込んでみましょう。
女神のように微笑みながら、ロウソクの火を消すように息を吐くイメージです。

ここでは簡単に説明していますが、唇の形は元より、人の口腔内はそれぞれですので出来たら経験者にマンツーマンで見て頂けると良いでしょう。

私は鏡を見ながらひたすら一か月程、頭部管での練習をしました。

頭部管で十分に音が出せるようになってからでないとより多くの息が必要となる胴足部管を付けての練習は体力が持ちません。
最初は辛いかもしれませんが段々できるようになっていきます。
頑張って乗り越えましょう!

初心者が練習する時のポイントとは

初めて頭部管で音が出たとき…
優雅な見た目と違って、こんなにも息が必要なんだ…!
と、驚愕したことを今も覚えています。

まずは音が出てから、時間を決めて
毎日少しずつ息を吹き込んでいきましょう。
1時間もやると貧血で倒れてしまいますので…
初めてすぐの頃は1日30分ほどで十分だと思います。

また、練習に必要なものとして
置き鏡(顔全体が映る大きさで十分)を用意しましょう。

チェックすべきポイントとして
・自分の口の形
・息の通り道
・フルートの歌口と自分の唇がどのような位置関係にあるのか
上記のことを注意して見ておきましょう。

さらに、練習ノートとペンを用意して
どういう状態の時に「良い音」がしたのか。
書いておくと良いでしょう。

「良い音」の目安が難しいのですが、感覚的に言うと
「芯があって、豊かに響く音」を目指すと良いと思います。
口の位置は、無理なく息がまっすぐ入っていく位置が良いです。

経験者や先生から言われたポイントを練習ノートに書いたり、
教則本に載っている写真の状態と自分の状態を常に比較して鏡を見て、
よく耳を澄まして、自分の音を聴いてみましょう。

初心者がフルートを楽しむポイント

ここまで読み進めてきて「なんだかフルートって大変だな…」なんて
感じてしまっている方もいらっしゃるでしょうか。
フルートだけでなく様々なことに言えますが、
少しの大変さを乗り越えると
もちろん楽しいこと、嬉しいことが待っています!

ある程度音が出て来たら(それだけで嬉しくなりますけど!)
先生や部活の先輩、友人などと一緒に簡単な曲を合わせる練習をしてみましょう。
曲でなくても、単音と単音を合わせると
きれいなハーモニーになります。

フルートはピアノやヴァイオリン、ギターなどと違って
「単音」を奏でる楽器です。
(もちろん現代奏法で重音は可能ですが)
自分の音と相手の音とが重なり合って進んでいく練習では
きっと「新たな気づき」も多いでしょう。

アンサンブルをしていくと、学ぶことがたくさんあります。
耳を使って練習していないとすぐにハーモニーが崩れてしまうこと、
自分の音が大きすぎたり、音程感が外れていたりすると
きれいな響きにはならないこと。
楽しく、多くの気づきがあるアンサンブルは積極的にやっていくと
自分の成長の手応えを感じることもでき、練習の励みになると思います。

私は部活で始めたのが最初ですが、
いつもは個人練習をし、たまに参加する全体練習でアンサンブルをする感じでした。

高校・大学時代はオーケストラ部に所属していたので
色々な楽器との合わせ方はもちろん、
仲間との音程感や歌い方の違い、音(最終的には人!?)との相性など、
音楽を通して色々な学びもありました。

自分がよりよい音と響きが出せると全体の響きも良くなっていく…。
それは正に小さな社会を築いているのと一緒。
色々な個性を活かし合って、ハーモニーを生み出すアンサンブルはおすすめです。

大人になってフルートを始める、という方も多いでしょう。
色々なサークルや、アンサンブル団体などがメンバーを募集していますし、
楽器店などでも入門のためのクラスなどがあります。

一番は、良い先生との出会いがあり、その先生の門下の生徒さんたちとの
発表会や先生とのアンサンブルなどが出来ると励みになりますし、
学んでいくための「基盤」が出来るので良いでしょう。

フルート・クラシックの楽しさとは

フルートという楽器の一番の魅力は、最初にもお話ししたように
「おしゃべり出来るように吹ける」ことだと思います。

ちょっと、興味深いお話を。

ある有名な奏者が、新しい楽器を購入したので
今までの楽器を売りに出したそうです。
皆その奏者が手放した楽器が欲しくて、
試しに吹いてみたそうですが、誰もが驚きました。

なぜなら、吹いているのは自分なのに、なぜかその奏者の音がする。

長年息を吹き込んだ楽器には、
その人の想いや色が乗り移っている、というお話。

もちろん新しい奏者の手に渡り、その人の息遣いになれていくものですが。
私はその話を聞いて「フルートって生きているんだ!」って、思いました。

確かに自分のコンディションによっても、気持ちによっても音色が変わる。
鏡のようです。

そんな奥深くも美しいフルートという楽器で
音楽への旅に出てみませんか。

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