自粛生活で、週末はもっぱら時間が空けば映画を観ています。
先日は、地上波で放送された「ゴジラ」を何となく見始めたら
へえ、、こういう話だったんだ…あれよあれよとのめり込み、
続けて「シン・ゴジラ」を観ました。
先週はゴジラな週末でした。
ゴジラのあの有名な曲
「ドシラ ドシラ ドシラソラシドシラ」
という曲、皆さんご存知ですよね??
「シン・ゴジラ」の曲中では、ゴジラが登場するシーンでは
「ドシラ ドシラ ドシラソ#ラシドシラ」
と、途中のソにシャープ(#)がついています。
そして、テンポもすごくゆっくり。
このシャープのお陰で、ものすごく不安定で恐ろしい印象を受けるのですが、
エンディングは
ソにはシャープがつかないソのナチュラル(♮)バージョンで流れていて、
ゴジラとの決着がひとまずついた安堵感を感じさせます。
映画の挿入音楽を場面ごとに聴き入るくせがあって
音楽が映像と相まって、人の心理に与える影響ってすごい!と
ちょっとしたトリックに気づくと、興奮します。
なんだか分からないけど、感動する
なんだか分からないけど、不安な感じがする
なんだか分からないけど、体がはずむ感じがする
これ、全部ちょっとした音楽の魔法です。
その魔法を勉強していくと、音楽を聴くときもっともっと楽しくなります!
シャープ一つで与える印象の違いには、舌を巻きました。
そして、「シン・ゴジラ」では未知なる生物がいきなり現れた時、
日本はいかにしてそれを克服しようとするのかというテーマもあるそうで…
観る前は、ただの怪獣じゃーんとか思っていた無知な自分を恥じました。
異例の事態に対する日本政府の対応シーンも出てくるのですが、
なんだか、今の未知なるコロナとの闘いに酷似している。
監督が込めたであろう、痛烈な皮肉にちょっと口角あがりました。
しかも、ゴジラが人類が廃棄した大量のごみや放射性物質などで
成長しているのも、人類への警鐘を鳴らすという意味では
タイムリーに感じてしまいます。
思えば、映画や芸術の世界では絵画、作品、音楽もそうですが
それらを通して社会にメッセージを伝えるということでは
本当に最高の表現手段ですよね。
直接伝えるより、何倍も説得力がある。
ダ・ヴィンチがモナ・リザの背景に描いたメッセージも、
ダリが政治的メッセージや皮肉を込めた作品も、
バッハが自分の名前の音をスタートに作曲した曲も
そのメッセージを受け取る力があると
何倍も、何十倍も「見えて」くる。
音楽だって、作曲家がどんな想いを込めて、どんなメッセージを
伝えたくて作曲したのか、
掴み取る力、感じる力は大切です。
たった一音に込められたメッセージを時代を超えて受けとる…なんて
最高にロマンチックじゃないですか。
自分と向き合う時間が増えた分、
様々な物事が発するメッセージに耳を傾けてみると
新たな世界が拓けるかもしれません。
ちなみに、シン・ゴジラの役者さんたちの
早口セリフに目がまわり、2度寝落ちして、
巻き戻しました。
あんなにハッキリ早口で日本語言えるなんて、すご。