早くも2020年も12月に突入ですね!
10月頃リサイタルが決まってから
広報紙の取材やラジオ出演などもあり、
あっという間の12月という感じです。
先日、舞台上でのお仕事があり
裏舞台でなく、ずっと舞台上で
様々な年代の奏者のピアノの演奏を聴く機会がありました。
私も幼少期に始めたのはピアノだったので
発表会の記憶などを辿り、背中越しにエールを送っていました。
いつもとは違う場所で、違うピアノで演奏をする…
子どもの頃はそれがすごく楽しくて、堂々と弾いていたけれど
中学生、高校生と上がる毎に、
いつもとは違う雰囲気を察知して、楽しみの割合よりも緊張が勝ってくる。
曲も難しくなってくるし、いろんな情報も頭に入ってくるし、
普段は弾けていたのに、なんで本番でこんなミスを―!という経験、
私もあります。
舞台上にいて面白いのは、同じピアノを聴いているはずなのに
奏者によって音が違うのはもちろん、
ピアノが素直に鳴っている時と、ピアノとあまりうまく行っていない響きの
違いがあって、興味深かったです。
そして、それは決して年齢が上だから、難しい曲を弾いているから
いい響きをしているのではありません。
たった一音でも、その人がどういう気持ちで弾いているのか、
どうピアノに向かっているかでピアノ自身が心を開くかどうかが
決まっているように聴こえます。
何も考えず、無邪気に、素直に穢れのない気持ちで向かっていると
良い音が鳴るのかななんて思います。
あとは、その音楽を心から楽しんで、愛しているか。
フルートも、その時の自分の状態を写す鏡のような楽器なので
いつも練習がうまくいくように、
心穏やかに、なるべく難しいことは考えず
おバカなおふざけをしながら過ごしています。
頑張るぞー!なんて決して思わず、体にムダな力が入らないように
なるべく脱力で過ごしています。
(いや、少しは頑張れよって感じでしょうか)
思えば、パリで最初に出会った師匠は
まさに子どものような純粋さを持ち合わせている人でした。
ちょっとしたことでも気持ちが動き、いたずらもするし
おふざけもするし、
何より奏でる音楽が、その人そのもので聞いていてワクワクする。
話は戻りますが…
舞台上でいろんな音を聴いていて
なんか、その空間だけにしかいない魔物…
オペラ座の怪人がどこかで見ているみたいだなと思いながら、
自分のこれからの舞台を想定していました。
これまでに色々な会場でコンサートやリサイタルを行ってきましたが
その会場が持つ「気」であったり
お客様の「雰囲気」であったり
それによって見えない音たちがどんな風に響くのか
変わることがあります。
まさに、演奏者だけでは舞台は作れないということです。
頑張ったからそれがイコール単純に良い演奏
にはなり得ない、その先のお話です。
その空間に放つ音がいつも以上にキラキラするかどうか、
その当日になってみないと分からない!
怖いけど、楽しみ、だけど怖い。
お客様や会場の「気」を存分に受け取って
キラキラした音で返せるように、気合入れて準備中です。
オペラ座の怪人って、素敵な音楽には絶対味方してくれるから・・・☆
当日
皆さまにお会いできること、楽しみにしています。