今、ワルシャワではショパンコンクールでアツイ日々が繰り広げられています。
前回のショパンコンクールは私、パリにいたなあ…
しかもお世話になっている作曲家の方のお宅で
メトロ終電ギリギリまで一緒に配信をみてました。
なんか懐かしい。
予選、本選と進んで行く中で
本当に皆さん素晴らしいのはもちろんで、
その上の次元での音楽で勝負していくので
ほんっとーに面白い!
前回のショパンコンクール後には
コンテスタントのファイナルの曲を一枚のCDに集めて
仕事の行き帰りに爆音で聴いたりもしていました。
今18回目のファイナル真っただ中で、私も日々ドキドキです。
このblogを書きながらも配信を聴いています。
この前オリンピックが閉幕したばかりですが
競技で言われるところの順位、というのは明確ですよね。
ルールがあって、こうなると金メダル!とはっきりしています。
でも音楽のコンクールというのは
もちろんその曲に対して最低限のテクニック、知識など
これはクリアしていないとというものはありますが
最終的に「ナニ」が「金メダル」なのか、というのは
もう突き詰めていくと、はて…?というところだと思います。
コンテスタントのコンディションもさることながら、
その時招集されている審査員の価値観、
会場の雰囲気、共演者の出来など
本当に全てが絡まりあって何かが光った時、
そこに音楽の姿が現れるんだと思います。
私も一つの目標として、学生時代はコンクールにチャレンジしたりしていました。
自分の弱点や今後の目標を見出す機会でもありながら
音楽とはなんだろう、と考える機会でもありました。
色んなコンクールで沢山失敗もしたし
悔しい思いもしたけれど
でもやっぱり音楽が大好きで、勉強は辞められない。
曲の色んなアイディアがパッと湧いて体力・気力も良い感じに満ちている時、
私の場合はありがたい結果を頂くことも出来ました。
何より、その本番はすっごく楽しくて、
ああなんて素敵な音楽なんだろう、この時間が続けばいいのに
と吹いている自分を自分で客観視している
不思議な感覚でした。
同時に、留学時に一時帰国してのコンクールだったので
これでダメって言われたらどうしよう?私がこれまで勉強してきたものを否定される恐怖と
闘ってもいました。
でももうやるべき事はやったので、
久々の日本一時帰国をエンジョイし、ほとんど練習はせず、確認くらいで
リラックスして過ごしていました。
音楽をする、ということは勿論だけど
ここまで来るのに家族や友人に沢山支えられ、感謝の気持ちで満ちた
穏やかな自分がいたこともきっと本番に影響したんだろうなと思います。
なんというか、うまく言えないけれど
自分はどうやったら力が発揮できて
どういう心持ちや体調の時に良い音楽が出来るのかということを
すごく感じた本番でした。
この経験を超えて、音楽だけでなく全てのことにおいて
自分のベストを尽くすとはどういうことなのかなど
ある一つの「軸」が出来たように思います。
音楽を通して学ぶってこういうことなんだと実感した経験でした。
音楽や美術など、芸術に点数をつけて順位付けするって
なんだか矛盾しているようにも思えるけど
出場する側も、聴く側も、審査する側も
なんというか、そこに至るまでの自分自身を知る機会でもあるのかなと
思ったりもします。
どう学んできて、何を美しいと感じ、何を評価とするのか。
ほんと、深いんです。
指が回ってテクニックも完璧!だけじゃない、その上にあるナニかは本当に
神の領域だとも感じます。
ああ、言葉で綴ると陳腐になってしまう…
今ショパンコンクールファイナルは日本人が2名残っていますね!
配信を見ていて、舞台に立つ前の様子も映されるのですが
その時のコンテスタントの背中を見るだけで
ぐっとこみ上げるものがあります。
この人はこれから立つ舞台に向けて
どれだけの準備をして
どれだけの孤独と闘い
どれだけの鍛錬を重ねてきたのか。
背中を見るだけで感動します。
そして演奏後には、賞賛だけではない、色々な批評も受けることを覚悟で
それでも音楽を奏でにいくんです。
もう…色々考えるだけで、全てのコンテスタントに
スタンディングオベーションです。
コンクールファイナルは私も大好きなショパンのコンチェルト第一番。
秋の夜長に堪能したいと思います。
聴く方もすごい体力使う…
食欲の秋と芸術の秋を見事に連動させている私なのでした。
深いなぁー…
芸術を審査するって深いです
感動は人それぞれの感性と
その時の状況や心境で大きく変わりますから
コロナも何とか下火(?)になり
コンサートが次々と開催されるのですね
これまでの経験と人を思いやることのできるゆきちゃんの素敵な感性で
感動溢れるコンサートの成功を願っています
ゆまゆま様
コメントありがとうございますー!お久しぶりです。
嬉しいです☆
コンサート、やっと再開できそうです。
そしてコンクールって本当に考えさせられます。
出ても、聴いても、審査しても・・・
まあ結局は音楽って素晴らしい!ということが
どの立場にいても行きつくところではあります。
ゆまゆまさんにも早く安全に会える日が来ますように!
いつも温かいコメント、本当にありがとうございます!